革靴の3大製法 これだけ覚えれば大丈夫!
ブレイク製法、ノルヴェイジャン製法、グッドイヤー製法、などなど、、、
あなたの目的に合った革靴を選ぶ為に、知っておくべき3大製法についてお話しします。
本日もご覧いただき、ありがとうございます。
パラブーツ(Paraboot)専門通販店【パザパ(Pas à Pas)】店長のKanakoです。
今日はちょっと長くなりますので、よろしければブックマークして、お時間のある時にゆっくり読んで下さいね。
この記事の目次
レザーシューズのいろいろな製法
ブレイク製法、ノルヴェイジャン製法、グッドイヤー製法、などなど、、、革靴の製法はなんだかいろいろありすぎて、わけがわからないですよね。
できるだけシンプルにわかりやすく、革靴を選ぶ時に知っておくべきこと「だけ」をお話ししますね。
もしあなたが「何がベストな製法か」の答えを求めていたら、ごめんなさい、それにはお答えできません。
なぜなら、それぞれの製法に、長所も弱点もあるからです。
それよりも、「自分の求めている目的に合った製法はどれなのか」を見つけるお手伝いができたら、と思います。
製法の名前だけに踊らされるのはバカげていると思いませんか?難しい専門用語でケムに巻く靴屋さんとはオサラバしましょう(^^)
ただ一つだけ確実に言えることは、靴底を「貼った」靴と、「縫った」靴では大きな違いがあるということです。
「貼る」製法がどんなに発達しても、「縫った」靴にはかないません。
長く愛用できる靴を手に入れようと思ったら、「縫った」靴を選んでくださいね。
※説明のイラストは、「フランス革靴革製品振興協会Comité Professionnel de Développement Économique Cuir Chaussure Maroquinerie Ganterie」からお借りしています。
ノルヴェイジャン製法
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製法
防水のためにL字状に縫い付けられた幅広のウェルト(上図ピンク部分)が特徴です。ウェルト上に見える二重の縫いも大きな特徴で、縫い目が1本ではなく2本見えるのが、グッドイヤー製法との違いです。
まず、中底に接着された凸型のリブに、インナー(グレー部分)、アッパー(茶色部分)、ウェルト(ピンク部分)を、水平に「すくい縫い」します(この縫い方が「ノルヴェイジャン縫い」と呼ばれます)。
リブによって出来た空間を埋めるために、コルク(ベージュ部分)が厚く詰められます。次に、ウェルト(ピンク部分)、ミッドソール(ブラック部分)、アウトソール(こげ茶部分)が「出し縫い」されます。
ウェルトが水平方向の「すくい縫い」によって中底へと連結され、垂直方向の2線の「出し縫い」によってミッド&アウトソールへと連結され、とても頑丈な作りとなります。
また、ミッドソールとアウトソールが二重になっていることで、防水・防寒に非常に優れています。
由来
防水性が求められる寒冷地向けの靴製法として、ノルウェーなどの北欧で発達しました。
半世紀ほど前までは、登山靴やスキー靴など、アウトドア靴の代表的な製法でした。
創業当初、登山靴を専門としていたパラブーツは、その背景から、この製法を世界一と言って良いほど究めています。
特徴
雪でも雨でも全く問題なく履ける防水性の高さに加えて、しっかりした作りで履き込むほど味が出ます。クッション性にもとても優れています。
二重のステッチによってかもし出されるヘヴィーデューティーな雰囲気も、ノルヴェイジャン製法ならではの魅力です。
特徴のあるスタイルなので、ドレッシーなアイテムを作るのは難しいです。
手の込んだ製法のため、どうしても高価になってしまいます。職人さんが2日もかけて、800以上の縫い目を縫っていきます。気が遠くなるような作業ですね。
その為、今では世界でも、ノルヴェイジャン製法を守っているメーカーはわずかとなってしまっています。
ノルヴェイジャン製法を使ったモデルの例
ノルヴェイジャン製法は、パラブーツが最も得意とするところです。
代表モデルのシャンボード、ミカエルはノルヴェイジャン製法で作られています。
「シャンボード」はこちらからご覧ください。濃いブラウンはこちら→Chambord Cafe
「ミカエル」はこちらからご覧ください。濃いブラウンはこちら→Michael Cafe
グッドイヤー製法
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製法
世界で広く使われている製法で、ダブルになった縫いが特徴です。
まず、中底に接着された凸型のリブに、インナー(グレー部分)、アッパー(茶色部分)、ウェルト(ピンク部分)を、水平に「つまみ縫い」します(これが「グッドイヤー縫い」と呼ばれる縫い方です)。この縫い方のおかげで製品が頑丈になります。
リブによって出来た空間を埋めるために、コルク(ベージュ部分)が厚く詰められます。次に、ウェルト(ピンク部分)とアウトソール(こげ茶部分)を合わせて「出し縫い」をします。
ノルヴェイジャン製法と違って、縫い目は一本しか外から見えません。
由来
機械式ウェルト製法として19世紀にアメリカで始められた製法です。
この機械のおかげで「すくい縫い」が機械で出来るようになって、靴の生産効率が飛躍的に向上しました。
「グッドイヤー」の製法名は、機械を発明した技師の名に由来しています。
この技師は、タイヤの発明で有名なチャールズ・グッドイヤーの息子です。すごい発明家族ですね。
特徴
履き込むうちに、中底が適度に沈んで、足の形にフィットします。
クッション性にも防水性にも優れています。
比較的リーズナブルな上に頑丈な作りで、ソールの張り替えも十分可能です。
リブがあるので、ソールの反りが比較的悪く、履きはじめは少し硬く感じることがあるかもしれません。
世界中で多く使われている製法のため、使われる素材や技術のレベルによって品質に大きな差が出ます。信頼できるメーカーの商品を選ぶことが大事です。
グッドイヤー製法を使ったモデルの例
頑丈な割にすっきりとした見た目で、エレガントなモデルに使われます。
パラブーツの代表的ローファー、アドニスもグッドイヤー製法で作られています。
「アドニス」はこちらからご覧ください。→Adonis Noir
ブレイク製法
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製法
まずアッパーがソールにのり付けで固定されたあと、アッパー(茶色部分)、インソール(グレー部分)、アウトソール(こげ茶部分)を、靴内部で一気に縫う製法です。靴の内部を覗くと、ステッチを目視することが出来ます。
靴の内側の縫い目を感じさせないように、インナーソールをもう一枚のせていることもありますので、その場合は縫い目は見えません。
より頑丈にするため、2本取りで縫われることもあります。
由来
1858年に機械を発明したアメリカ人のライアン・ブレイクの名前を取って、ブレイク製法と呼ばれています。その後、ゴードン・マッケイがその権利を買い取り、機械を製品化しました。
そのため、ヨーロッパでは「ブレイク製法」と呼ばれ、日本とアメリカでは「マッケイ製法」と呼ばれています。
特に、イタリア製の靴に多く用いられる製法です。
特徴
コバを狭く抑えられて細身のモデルを作れること、また、ソールを薄く仕上げることができることにより、すっきりとしたエレガントなモデルを作れます。
薄く仕上げることによって、軽量で、柔軟性に優れた靴を作れます。ソールの返りが良く、足のなじみが早いので、最初から履きやすく感じます。
弱点としては、アッパーとソールをダイレクトに縫うため、オールソール修理が1-2回が限度となってしまうことです。
また、アウトソールに縫い目が出ているので、雨が染みてきたり水に弱いことや、耐久性としては強い方とは言えないことが挙げられます。
ブレイク製法を使ったモデルの例
レディースの人気モデル、ヴィニョンはブレイク製法で作られています。
「Vignon」はこちらからご覧ください。→Vignon Noir Vernis
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
あなたの目的に合った素敵なアイテムが見つけられますように♪
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ショップはこちら→パラブーツ(Paraboot) の専門通販店 【パザパ(Pas à Pas)】
ショップ名の
【パザパ(Pas à Pas)】は、
フランス語で「一歩一歩」
という意味です。
パラブーツを履いた、
みなさまの一歩一歩を、
満足で楽しいものにしていきたい、
また、
お客様との心と心のつながりを大切に、
一歩一歩進んでいきたい、
と いう思いで、
日々精進しております。
パザパ(Pas à Pas)を
どうぞよろしくお願いいたします。